原判決を破棄、高裁に差し戻す 賃料増額確認請求事件―最高裁

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建物の賃料の確認等を求めて賃貸人と賃借人の間で訴訟合戦に発展していた事案で最高裁第一小法廷(横田尤孝裁判長)は、賃料増減額確認請求訴訟の確定判決の既判力は、原告が特定の期間の賃料額について確認を求めていると認められる特段の事情のない限り、前提である賃料増減請求の効果が生じた時点の賃料額に係る判断について生ずるとし、確定判決の既判力に抵触し許されないとして上告人らの賃料増額請求を棄却した原判決を破棄し、東京高裁に差し戻した。

現在係争中の賃料増額請求は、前の同様の訴訟の口頭弁論終結時以前にされた。この点をとらえ、同訴訟では賃料増額請求による賃料の増額を主張することが、前訴判決の既判力に抵触し許されるかどうかが争われた。前訴は上告人の控訴が棄却された。最高裁は借地借家法32条1項所定の賃料増減請求権に関し、賃料増減額確認請求訴訟では、前提である賃料増減請求の効果が生ずる時点よりあとの事情は、新たに賃料増減請求されるといった特段の事情のない限り、直接的には結論に影響されないとの解釈を示した。その上で、現在係争中の訴訟では、特定の期間の賃料額について確認を求めていたとみるべき特段の事情はないとし、原審の判断には明らかな法令の違反があると断定した。

■参考:最高裁判所 | 判例検索
<http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=84488>