古代インドには、非常に長い時間単位「劫(こう)」があった。一劫は、四十里四方の立方体の岩石を天人が軽い羽衣で百年に一回払拭し、その岩石が磨滅してなくなるまでの時間である(一劫の定義には、他にもいくつかの説がある)。これに比べれば、人生の長さは実に微々たる一瞬間であろう。人が時間を最も価値あるものと扱う理由である。例えば、電車であれば一般にスピードが高い程(つまり一定距離を走る時間が短い)価値があるとされる。だから、普通列車と特急列車とでは、特急の方が料金は高い。その差は時間節約代と言える。その他にも、一般道路と高速道路、海外等に行く場合の船舶と飛行機・・・と、例を挙げたら切りが無い。 続きを読む
カテゴリー別アーカイブ: Weeklyコラム
Weeklyコラム 艱難が人物を作る
「艱難(かんなん)汝を玉にす」ということわざがある。研修会等ではあまり使えず、「今日の講師はずいぶん古い人間だな」と思われて、耳を塞いでしまう怖れがある。 続きを読む
Weeklyコラム 機械化と人材の安定
世の中の現象には矛盾するものが多い。仕事の機械化と人材の安定もその一つだ。近年の経済成長は機械化によって発展してきたが(洗濯機・自動車等による生活の向上も同じ)、反面で手作業による仕事等の衰退や人材の不安定を招いてきた。 続きを読む
Weeklyコラム シニアの活躍
超高齢化社会になって、シニア世代(一般に60歳以上)で就労している人が増加し、国策としての各種の推進策や保護策が注目されている。従来は勤め人等が定年になると、いわゆる隠居生活(年金生活)に入るイメージがあったが、現在では定年後も何年か仕事を続ける人が多数派になっている。この現象の理由は多種・複雑であるが、その例をいくつか挙げてみたい。 続きを読む
Weeklyコラム 勘の養い方
勘とは、「直感的にさとる、心のはたらき」だと言う(三省堂『国語辞典』)。勘の定義はともかく、一体勘はどのように養うものだろうか。筆者としては、勘は何かに有用な単純な動作や訓練によって習得出来る、と考える。 続きを読む
Weeklyコラム 経営計画策定の効果
経営改善計画、経営革新計画、資金計画等、経営の計画策定は多種多様である。あまりに多くの計画作成を求められる為か、特に中小企業経営者の一部には、「計画を作ってもその通りになる訳ではない」と拒絶する方もいる。「計画を作る暇があれば、その分仕事をする方が良い」「相手次第で左右される零細企業に計画など無駄だ」等と言う経営者もいる。 続きを読む
Weeklyコラム 上司の人間修養
経営成績や社員のやる気等が落ちた時、経営者の決まり文句に、「原因は社員能力の低さだ」というものがある。改善策として、「社員の採用基準を厳しくしよう」「新入社員教育を徹底しよう」等が提案される。経営資源の三大要素「人・物・金」は優先順位を表したものであろう。有能な社員を養成出来なれば、経営の発展は難しい。 続きを読む
Weeklyコラム 人材の養生術
身体に養生術があるように、人材にも養生術がある。身体の養生術は、飲食・性・睡眠等身体の内側の欲を節制し、風・寒・暑・湿等外邪による病を防ぐことにある。人材の養生術(企業が従業員の採用・教育・労働時間・処遇等を適確に行い、職務能力の発揮や成長を支援すること)は、消極的には過重労働を求めないこと、積極的には職務能力の育成や処遇(給与・休日・福利厚生等の充実)を重視することである。 続きを読む
Weeklyコラム 女性社員の採用と管理職登用
「女性活躍推進法(略称)」が、平成28年4月1日から施行された。事業主行動計画の策定等を定めているが、従業員301人以上の企業に義務を課している。女性社員の積極的採用と管理職比率の向上は徐々に進展しているが、他国との比較では日本は遅れている。先日、女性活躍推進で話題になっている中小企業(菓子製造販売業)社長の講演を聞く機会があった。社員の内、女性社員が7割、管理職比率が3割で、商品開発は女性社員が担当している。注目したのは、講演後の「我が社も女性を積極的に採用したいが、女性社員の定着と管理職登用をどう実現したか」と言う質問と回答だった。その回答を簡略にまとめれば、大体次のような工夫に依ると言う。 続きを読む
Weeklyコラム 商売繁盛は整理整頓から
経営指導者が小売店等の店舗実地診断において第一に注目することは何か。迷わず言えることは、店舗内外の整理整頓である。ある時、靴・カバン小売店の店主から売上不振について相談を受けた。「陳列と品揃えには常時気を配り、値段も他店に負けない努力はしています。しかし、店前を通行するお客様が自店に注目してくれません」とのこと。現地へ行ってすぐ気付いたことは、店舗入口の両脇に使用済みの段ボール箱が高く積んであり、店頭看板の店名が一部はげ落ちていることだった。 続きを読む