最近、歯医者に通院して気づいた事がある。治療をする歯科医よりも歯科衛生士(歯磨き指導や歯石取り等をする)のサービス時間の割合が相対的に増えているのである。歯科衛生士は、全国に有資格者が約25万人いるが、歯科医院等に勤めている者は約12万人(47%)ということだ。
弁護士・税理士・社会保険労務士・看護師・・・と、日本には多くの国家資格がある。しかし、大変な努力をして資格を取得しても、資格を活用した仕事に就いていない人が相当数いる。看護師や保育士のように、需要拡大によって国が強力な活用策や財政支援を打ち出した資格も一部ある。問題は資格者数と需要の不均衡である。社会経済の変動によって必要な資格者数を予測する事は難しいが、人口数の増減によって需要がほぼ予測出来るような医者や歯医者等はあまり難しくなかろう。
活用策の一つは、医療であれば病気になる前に予防したり、不動産取引や相続であればトラブルを事前に防止したりするサービスを開拓する事である。歯医者等も、従来の治療中心から歯科矯正や予防に重点を置く医院が増えている。さらに、資格を関係各省庁が管理するだけでなく、資格者の適正人数や活用策等を管理・研究する公的団体を設置したらどうであろうか。