東京商工リサーチは熊本地震が発生した14日から19日まで、すべての上場企業を対象に熊本地震の影響を公表したプレスリリースを集計し調査・分析した。東京証券取引所など国内すべての証券取引所に株式上場する企業で熊本地震に関するプレスリリースを出したのは133社。このうち、被災した店舗や工場の「営業・操業停止」が61社、操業や営業再開の「見通しが立たない」が10社、被災が「一部・軽微」にとどまったのが32社、従業員が出勤困難などの「その他」が4社だった。何らかの被害を受けたのは合計107社、構成比で80.5%に上った。
深刻な状況を公表した企業は、うち71社に達した。その一方、「影響なし」は26社にとどまった。被災内容では、「建物損壊」57社、「商品・在庫損傷等」29社、「什器・備品損傷等」23社、「生産ライン・設備被害」22社など、直接的な原因が大半を占めた。一方、「ライフライン」7社、「停電・電力不足」5社などもあった。今後の対応については、上記107社のうち8社が国内外の拠点での代替生産や外部からの調達で対応(予定含む)としている。2011年3月の東日本大震災の教訓からBCP(事業継続計画)の策定は進むが、実際に被災した場合の運用は容易でないことがわかる。
■参考:㈱東京商工リサーチ|平成28年熊本地震 「上場企業の被災状況開示」調査(4月19日時点)|
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20160420_01.html