一般社団法人が非営利型法人に移行した日以後に、基金の返還債務の免除により発生した債務免除益の取り扱いについて、東京国税局に事前照会があった。一般社団法人Xは、株式会社Aから預金のほか土地、建物、器具備品等の拠出を受け、それら現物資産を用いて薬局事業等を営んでいる(移行する本年4月1日以降は、薬局事業は法人税法上の収益事業に該当)。毎年の剰余金の範囲内で基金の返還を行う予定であったが、Aの解散により返還請求権の放棄が見込まれることとなった。
回答では非営利型法人について、1)収益事業(法人税法施行令第5条第1項の34事業)を行う場合に限り、その事業から生じた所得に対してのみ法人税が課されること、2)寄附金や補助金は、収益事業の用に供される固定資産の取得等に充てる場合であっても、収益事業に係る益金の額に算入しないとされていること(法人税基本通達15-2-12)、3)活動の原資として調達される資金である基金の使途に法令上の制限はなく収益事業に属する債務とは認められないことを挙げ、基金は実質的に元入金の性格を有すると言えることからも、その返還債務の消滅に係る経済的利益(債務免除益)は寄附金等と同様、収益事業に係る益金の額には含まれないとした。
■参考:国税庁|一般社団法人(非営利型法人)の基金について放棄を受けた場合の法人税法上の取扱いについて|
http://www.nta.go.jp/tokyo/shiraberu/bunshokaito/hojin/160315/index.htm