相続税について審査請求人(共同相続人の一人)が法定申告期限後に申告書を提出したのを受けて、原処分庁が無申告加算税の賦課決定処分を行ったのに対し、請求人が▽共同相続人は期限内に共同で申告書を提出した▽当該申告書は請求人の押印を欠くものの、請求人の申告の意思に基づいて提出された有効な申告書だ―として処分の全部の取り消しを求めた事案で国税不服審判所は27年4月1日付で、押印がなくても納税申告書としての効力が認められるとし、処分を全部取り消した。他の要件を具備している限り、押印がないことのみをもって効力がないとはいえないとした。
原処分庁は、請求人が申告期限内に提出した申告書について、▽請求人の押印がなく、国税通則法第124条《書類提出者の氏名及び住所の記載等》第2項の規定を充足していない▽申告書の書面等から請求人の申告の意思を認めることができず、有効なものと認められない―として、通則法第17条《期限内申告》に規定する期限内申告書に該当しない旨主張する。審判所は、申告の意思に基づいて提出されたものかどうかについて、作成経緯や原処分庁への申告書の提出状況および納税の状況等を総合的に考慮して実質的に判断すると、原処分庁の主張には理由がないと裁決した。
http://www.kfs.go.jp/service/MP/01/0201000000.html#b82