反訴請求を認容した部分を破棄 東京高裁に差し戻す―最高裁

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平成8年から21年までの継続的な金銭消費貸借取引について、8年~12年の取引(第1取引)と14年~21年の取引(第2取引)を一連のものとみて、各弁済金のうち利息制限法(改正前)を超えて利息を支払った部分を元本に充当すると過払金が発生しているなどと主張して、上告人が貸金業者である被上告人に対し不当利得返還請求権に基づき過払金の返還等を求めた(本訴)のに対し、被上告人が第2取引に基づく貸金の返還等を求めて反訴した事案で最高裁第一小法廷は、原判決のうち反訴請求を認容した部分を破棄するとともに、その部分を東京高裁に差し戻した。

被上告人は本訴に関し、取引は一連のものではなく、第1取引に基づく過払金の返還請求権は時効により消滅したと主張。上告人は、時効による消滅の場合には、反訴において予備的に返還請求権を自働債権とし、第2取引に基づく被上告人の貸金債権を受働債権として対当額で相殺すると主張。原審は相殺の抗弁について何ら判断することなく、被上告人の貸金返還請求等を認容した。最高裁は、相殺の抗弁の主張は許されるとした上で、原判決は相殺の抗弁についての判断がないため、主文を導き出す理由の一部が欠けており、民訴法に掲げる理由の不備があるとした。

■参考:最高裁判所|不当利得返還請求本訴,貸金請求反訴事件(平成27年12月14日・第一小法廷)|

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85543