第二次納税義務をめぐって 一部売上の帰属取消の裁決

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滞納法人の売上除外等に加担した法人の口座へ売上金を振り込ませた後、請求人に当該売上金を無償譲渡したとして、国税徴収法第39条≪無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務≫に基づく納付告知処分が下された事案。

取消請求において審判所は、請求人が受けた利益の一部は法人に係る売上げではないとし、原処分の一部を取り消した。2年7月9日付。

滞納法人H社は、建築工事の設計、施工、管理等を営む法人で、請求人は取締役Kの配偶者。原処分庁は、H社が各取引先から受け取るべき売上金が、請求人の指示の下、請求人の知人が主宰する法人Pを発行元とした各請求書に基づき、Pの口座を経由し、Kの口座への振込み又は現金で請求人に手交されたことを、第39条に規定する無償の譲渡にあたると主張した。

審判所は、原処分庁の質問調査等において、一部の取引先については、請求人やH社、P社の各代表者から、H社に帰属する売上げを請求したものであるとの申述はなく、当該取引先からの回答も同内容と判断。請求人に交付された額のうち、H社に帰属する売上金と認められる額は無償譲渡されており、その額からH社の事業に係る支出を控除した額を納付すべき限度額とし、これを超える部分については処分を違法とした。

■参考:国税不服審判所|滞納法人の売上げを譲り受けたことによる国税徴収法第39条に基づく第二次納税義務の取消請求において、一部は滞納法人に係る売上げではないとした事例(令和2年7月9日)

https://www.kfs.go.jp/service/MP/11/0303040000.html#a120