令和元年度における協会けんぽの収支状況が明らかとなった。令和元年度の収入総額は10兆8,697億円、支出総額は10兆3,298億円となり、収支差は5,399億円となった。
収入総額は対前年比5,235億円の増となる。保険料収入が同4,510億円(4.9%)と大幅に増加した。これは被保険者数が4.4%増えたこと、被保険者の標準報酬月額が0.7%増えたことが主な要因だ。被保険者数の増加については、協会けんぽによる医療保険の運営が始まった平成20年度以降で最も高い伸びとなったわけだが、4.4%増のうち2.1%は人材派遣健康保険組合等の大規模健康保険組合の解散により被保険者が協会けんぽに加入したことによるものだ。それらの要因を差し引くと平成29年度をピークに被保険者の伸びは鈍化傾向が続いている。
支出総額は対前年比5,785億円の増加となった。支出の6割を占める保険給付費は、同3,653億円(6.1%)増となる。一人当たり医療給付費の増加に加えて大規模健康保険組合の解散の影響等により、加入者数が大幅に増加したことが原因だ。また、支出のうち4割を占める高齢者医療に係る拠出金等については、1,254億円の増となっている。
■参考:全国健康保険協会|協会けんぽの令和元年度決算見込み(医療分)について|
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/file/2020071508.pdf