合理的な基準による配賦が相当 マンションの収益事業―審判所

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マンションの管理組合法人である審査請求人が、屋上の一部を携帯電話等の基地局の設置場所として賃貸して得た収入について法人税等の申告をした後、当該収入に係る費用を損金の額に算入していなかったとして更正の請求をしたところ、原処分庁が更正をすべき理由がない旨の通知処分をした。

請求人が一部取り消しを求めた事案で国税不服審判所は▽請求人は建物の区分所有等に関する法律第47条《成立等》第13項に基づき、法人税法の規定の適用については公益法人等とみなされ、収益事業を行う場合に限り、収益事業から生じた所得についてのみ法人税が課される▽収益事業とそれ以外とに共通する費用の配賦については、一律の基準で行うのではなく、それぞれの費用の性質と内容などに応じた合理的な基準により配賦するのが相当―と裁決、原処分の一部を取り消した。

原処分庁は▽委託費、点検費、火災保険料は収益事業に直接要した費用とは認められない▽各経費は収益事業以外でも発生する。収益事業やそれに付随する行為から生じた費用とはいえず、共通費用にも該当しない―旨主張。審判所は、各経費は共通費用と認められるとした上で、管理員の従事時間案分割合や共用面積案分割合などにより収益事業に配賦するのが合理的だとした。

■参考:国税不服審判所|各経費が収益事業と収益事業以外の事業とに共通する費用と認められ、合理的基準により配賦するのが相当であるとした事例(一部取消し・平成31年2月15日裁決)

http://www.kfs.go.jp/service/MP/03/0209010000.html#a114