厚生労働省は6月1日における「高年齢者雇用確保措置」の実施状況などを集計した「高年齢者の雇用状況」を公表した。
同省では高年齢者が年齢にかかわりなく働き続けることができる生涯現役社会の実現を目指している。そのため、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」により65歳までの安定した雇用を確保するため、企業に「定年制の廃止」や「定年の引上げ」、「継続雇用制度の導入」のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じるよう義務付けている。
資料によると、65歳までの雇用確保措置のある企業は対前年比変わらずの99.8%となった。ほぼすべての企業で雇用確保措置が導入済みと言えるだろう。65歳定年は中小企業で17.9%(対前年1.1%増)、大企業で10.6%(同1.2%増)となり、大企業でも二桁に到達している。また、70歳以上働ける制度のある企業は、中小企業の28.9%(同3.1%増)、大企業の23.3%(同3.2%増)となった。定年制を廃止した企業は中小企業で2.9%(変動なし)、大企業で0.5%(変動なし)となり、一律の定年廃止は進んでいないことがわかる。高齢での就労は、労働者側の働く意欲や能力次第ということかもしれない。
■参考:厚生労働省|平成30年「高年齢者の雇用状況」集計結果|
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000182200_00002.html