減額割合は10%が妥当 財産評価額―国税不服審が裁決

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相続により取得した各土地の評価にあたって、財産評価基本通達に定める方法ではなく、不動産業者が作成した意見書に基づき財産評価額から60%減額すべきか否かが争点となった相続税に係る事案で国税不服審判所は29年4月7日付で、各土地について利用価値の著しい低下を認め、財産評価額から10%を減額して評価すべきだとして、原処分庁が行った通知処分の一部を取り消す旨裁決した。

意見書に基づく価額については、客観的な根拠が何ら示されておらず、審査請求人の主張には理由がないとして退けた。請求人は評価通達に定める評価方法に基づき評価した価額で相続税を申告し、のちに修正申告。その後、業者の意見価額によるべきだなどとして更正の請求をした。原処分庁が更正をすべき理由がない旨の通知処分をしたのを受けて、処分の全部取り消しを求めた。

審判所は意見価額について、具体的な数値や客観的な根拠が示されておらず、適正な時価を示しているとはいえないと指摘。各土地の現況を確認した上で▽各土地は一体として利用されているとは認められず、畑と宅地ごとにそれぞれ一の評価単位として評価すべきだ▽各土地は利用価値が著しく低下しているから、財産評価額から10%を減額して評価することが相当―とした。

■参考:国税不服審判所|利用価値が低下している土地の財産評価額の客観的根拠に理由なしとした事例(平29年4月7日裁決)|

http://www.kfs.go.jp/service/MP/04/0702170000.html#a107