平成30年度の協会けんぽの収支見込が発表された。平均保険料率を10%に設定、その上で診療報酬マイナス改定等の政府予算案を加味した結果、医療分については単年度収支差が4,511億円、30年度末の準備金残高は2兆6,500億円が見込まれることとなった。単年度収支差については、診療報酬マイナス改定等の影響を除いた場合、2,851億円となる見込みだ。
昨年開催された第89回全国健康保険協会運営委員会では、平成28年度決算で4,987億円の黒字となったことが取り上げられたものの、一方で1人あたりの保険給付費の伸びが標準報酬月額の伸びを上回る構造的な赤字問題も指摘されている。平均保険料率10%は加入者及び事業主双方にとって限界に近いという指摘もあるが、最終的な保険料率はさらに議論されることになる。
一方、30年度の介護納付金は9,700億円で29年度と比べて129億円の減少見込だが、年度末の剰余金が205億円見込まれている。介護保険の保険料率は、単年度で収支が均衡するように保険者が定めることになる。29年度の介護保険料率は1.65%だったが、30年度は1.57%となる予定で、労使双方にとって若干の負担減となる見込だ。