請求人が法人税の所得金額の計算上、損金の額に算入した代表取締役に対する役員給与の額について原処分庁が、不相当に高額な部分の金額があり、同金額は損金の額に算入されないなどとして更正処分等をした。請求人が代表の職責を考慮せずに行われた原処分は違法などとしてその一部の取り消しを求めた事案で国税不服審判所は4月25日付で、法人税の各更正処分・過少申告加算税の各賦課決定処分、復興特別法人税の更正処分・過少申告加算税の賦課決定処分をいずれも一部取り消すとともに、その他の原処分に対する審査請求には理由がないとして棄却した。
審判所は代表の職務内容について特別に高額な役員給与を支給すべきほどのものとはいえず、原処分庁が採用した同業類似法人の抽出基準についても合理性があるとした上で、▽給与の額は類似法人の代表に対する給与の額の最高額を上回る▽当該最高額を支給する法人は請求人よりも相当に経営状況が良好―などとし、当該最高額を超える部分の金額は不相当に高額な部分の金額といえると裁決した。ただし、原処分庁が抽出した類似法人の中に請求人とは業種の異なる法人が認められることから、同社を除外して給与相当額を算定。その結果を踏まえ原処分の一部を取り消した。
■参考:国税不服審判所|役員給与が不相当に高額とする判断基準をめぐる事例(平成29年4月25日)|
http://www.kfs.go.jp/service/MP/03/0204070303.html#a107