収益認識、方向性に変更なし 平成30年3月には決定へ

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企業会計基準委員会は10月20日まで意見募集を行っていた企業会計基準公開草案第61号「収益認識に関する会計基準(案)」等に寄せられたコメントについての検討を開始した。寄せられたコメントの大半は公開草案に賛成するものであり、大きな方向性についての変更はなさそうだ。

ただし、個別意見として、代替的な取扱いや設例の追加を求める意見、また、日本特有の取引として設例に示した有償支給取引に対しては自動車関連会社を中心に見直すべきなどの意見が寄せられている。

そのほかでは、今回の収益認識会計基準案が連結財務諸表だけでなく、個別財務諸表にも適用することとされているため、税務への影響を懸念する意見が多く聞かれている。例えば、「税務上の申告調整が増加しないように会計基準の処理が税法上も受入れ可能とすべき」「中規模の企業等に対する影響が大きいため、個別財務諸表への適用を任意にすべき」といったものだ。その一方では、会計基準の策定に伴い税制改正が行われることになれば中小企業にとって税負担や事務負担が生じる可能性があり、中小企業への影響を懸念する意見もあった。

なお、同委員会では平成30年3月頃までには収益認識会計基準を正式決定する方針を示している。