Weeklyコラム 上司の人間修養

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経営成績や社員のやる気等が落ちた時、経営者の決まり文句に、「原因は社員能力の低さだ」というものがある。改善策として、「社員の採用基準を厳しくしよう」「新入社員教育を徹底しよう」等が提案される。経営資源の三大要素「人・物・金」は優先順位を表したものであろう。有能な社員を養成出来なれば、経営の発展は難しい。

X社(婦人服小売チェーン)では各店舗の運営権限をほとんど店長に任せてきたが、部下からの訴えが本部に来るようになった。「部下に責任を押し付ける」「店長が侮辱的な言葉を使う」等である。他方、店長からも「部下が指示に従わない」の嘆きが聞かれた。社員教育に力を入れたが効果がなく、経営者は従来の人材養成の手法を転換した。つまり、最初に経営陣が定期的に勉強会を催すことにした。1年後には管理者(店長等)や社員も参加し、知識だけではなく人間的素養を高める訓練をした。結果、経営陣や管理者のリーダーシップが向上した。

X社が人材養成を実行して実感したことは、「上司が人間修養をしなければ部下が信頼して従わない」「上司が手本を示して指導すれば、部下は共同体意識を持つ」「部下の長所を見つけて褒め、それを活用することが有効」ということだった。