労使紛争の根源? 企業サイドの勘違い

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平成26年度個別労働紛争解決制度の施行状況を見ると、総合労働相談は7年連続の100万件超となり、「いじめ・嫌がらせ」が3年連続のトップとなっている。安定的に紛争が起きていることとなるが、この問題の根源は企業による勘違いがあるのかもしれない。

厚生労働省では、労使間の意思疎通の手段、運用状況等について労使双方の意識調査を行っている。最新の労使コミュニケーション調査によると、労使関係を「安定的」と認識する企業が86.9%であるのに対し、「良好」と回答した従業員は55.1%にとどまっている。「不安定」と回答した企業は1.6%だが、「悪い」と回答した従業員は11.3%となっている。明らかに労使間に認識の違いがうかがえる結果となった。実際の労使紛争の現場でも、企業側は楽観的に捉えがちな傾向がある。「この程度は受忍範囲」という認識は、従業員からすると「到底看過し得ない」ことが多いのも現実だ。

認識違いの積み重ねと、従業員側の権利意識の高まりが相まって労使紛争に発展する。あらゆる業務において必要なことは、自らの行いを常に疑問視し、客観的に捉えて改善につなげていくことだろう。恣意的な楽観視はトラブルにつながることを理解しておきたい。