帝国データバンクは9月に全国の企業2万3,000余社を対象に中国の成長鈍化が日本企業に与える影響について調査した。それによると、25.4%の企業、実に4社に1社が自社の業績に悪影響が出ると見込んでいることがわかった。特に、対中進出が進む「製造」「卸売り」だけでなく、物流を担う「運輸・倉庫」も3割台の企業が悪影響を見込んでいた。もっとも、「影響はない」も5割弱あり、最も多かった。
中国の成長鈍化で企業全体の2割が売り上げの減少、1割が利益の減少に直面すると認識。悪影響があると考える企業でみると、「売り上げが減少」が75.8%、「利益が減少」が42.9%。「中期的な経営計画の見直し」を考える企業も12.8%あった。中国と経済活動を行う時のリスクは「品質管理が困難」が51.0%でトップ。以下、「安全管理意識の低さ」「反日教育」「対日抗議行動」「不透明な政策運営」が続く。既にかわりのある企業は「賃金水準の上昇」を大きなリスクと捉えている。
中国との経済活動で日本企業は(1)対日感情・安全保障リスク(2)恣意的な法律運用リスク(3)コスト上昇リスク(4)契約・商習慣リスク(5)株式・不動産バブルリスク(6)品質・安全管理リスク(7)雇用リスク―に直面する可能性があるという。
■参考:帝国データバンク|中国の成長鈍化、企業の25.4%が業績に「悪影響」|
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p151003.html