平成26年度税制改正では「公益法人等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税制度」が一部改正された。非課税承認の要件の一つ「寄附者らの所得税等の負担を不当に減少させる結果とならない」場合と判断する基準として「株式保有要件」が追加され、株式の寄附を受けた公益法人等が発行会社の発行済株式の2分の1を超えて保有することになったときは非課税の対象から外れることとなった。本年4月1日以後の寄附から適用されている。
会社のオーナーらが節税を目的に行う寄附は従前から問題視されていた。今回の要件追加はそれらを抑制すると同時に、公益社団・財団法人と非営利型の一般社団・財団法人の非課税の範囲を統一するために行われたもの。公益社団・財団法人が保有する株式の取扱いについては「公益法人認定法」により議決権株式の過半数を有していないという条件が設けられている一方で、非営利型の一般社団・財団法人にはそうした制限がないが、今改正における「公益法人等」には、それらすべてが含まれる。
なお、複数回に分割した寄附の場合も、発行済株式の2分の1を超えた時点をもって「株式保有要件」を満たさなくなる。節税対策としての寄附に対し、一定の封じ込めが行われる形となった。