財務省の財務総合政策研究所は「DX推進と生産性向上・賃上げについて」と題する松本興産取締役の松本めぐみ氏が行った講演(7月30日)を、直近の研究内容としてホームページで紹介した。松本氏は、新しい製品やサービスの市場への普及率を表すマーケッティングのイノベーター理論を軸にDX実現へのアプローチや生産性向上のための取組など、自社が進めてきた改革を多くの写真や図で解説している。
イノベーター理論では、初めの2.5%がイノベーター(革新者)とされるが、それを自社のトップが担い、経営層が本気で舵を取ったという。誰でも分かるデータではないエクセルを全て印刷して考えたり、全社員に性格診断を行い、社員一人ひとりの異なる強みを持っていることの自覚を広めた。その結果、イノベーターに続くアーリーアダプター(初期採用者)13.5%を合わせた16%が製品検査記録アプリの作成などDX推進に取り組み始めた。こうしたうねりが一般社員に広がり、続けるためのポイントとして、取り残される、人事評価に影響が出る、仕事が無くなるというDXの恐怖を挙げ、これらを取り除くよう努めたという。
同社は埼玉県秩父郡に本拠を置き、自動車用部品などをメインとする従業員280人の金属加工メーカー。
■参考:財務総合政策研究所|「DX推進と生産性向上・賃上げについて」松本 めぐみ(松本興産株式会社取締役)|
https://www.mof.go.jp/pri/research/seminar/lmeeting.htm