国外の土地建物一括購入の代価 合理的な基準で算定と判断

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請求人は、国外において一括取得した賃貸用の土地及び建物に係る売買契約書に売買代金総額しか記載がなかった場合、各物件における土地及び建物の購入代価は、各鑑定評価額の割合で区分すべきであり、現地の固定資産税評価額の割合で区分すべきではない旨主張。

国税不服審判所は、建物の減価償却費の額の算出に当たっては、合理的な方法によって各物件の購入の代価を区分する必要があり、現地の固定資産税評価額は、同一の公的機関が同一時期に合理的な評価基準によって請求人が本件各物件の所有権を取得した時点の市場価値を評価したものであると推認できるとし、かかる推認を妨げる特段の事情に当たると評価すべき事実は認められないとした。

一方、平成30年に取得した物件の変更後の固定資産税評価額について、請求人が弁護士を通じて自身に有利になるよう査定官に働きかけ、故意に作出させた可能性が排除できないとする原処分庁の主張は、現地には評価額の見直しを求める不服申立制度があり、事後に変更され得ることは予定されているため、査定官の職権により事後に変更されたことをもって故意に作出させたなどということができないとして、変更後の固定資産税評価額を用いるべきであるとした。

■参考:国税不服審判所|一括して売買された土地及び建物の購入の対価は、合理的な基準によりあん分して算定すべきであるとされた事例(令和4年11月8日)|

https://www.kfs.go.jp/service/MP/02/0402100000.html#a129