Weeklyコラム 辞める本当の理由

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経営者の悩みは、資金繰り・販路開拓・業績不振等多種多様であるが、現在共通する悩みは「慢性的な人手不足」ではなかろうか。優良成績で表彰した営業マンが突然辞めたり、社員旅行で幹事をしていた社員が翌日に辞表を出したり等、経営者が信じられないような事例を聞く。しかも、どこの会社でも多かれ少なかれ起きている。

行政機関の雇用動向調査で辞めた理由を聞くと、「給料が少ない」「残業・休日等の労働条件が悪い」「会社の将来が不安」「職場の人間関係が良くない」等が上位にある。しかし、このような従来から耳にする一般的な理由だけでは納得できない。次のような関与先の事例がある。(1)5年勤続の社員に「もっとやる気を出せ」と言ったら、「もうこれ以上はやる気が出ません」と言って辞表を出した(2)本社管理センターに3年勤続の社員の場合は、多様な経験を積ませる為に工場の在庫管理を任せたら、「左遷は承知出来ません」と簡単に去ってしまった。

年功序列、終身雇用制が崩壊しつつある現在、長い目で処遇する事が大変危うくなっている。今は厳しいが将来の役に立つと説得しても社員は喜ばない。よい成績を出したら、今ほめて今給料や地位を上げて欲しい。辞める本当の理由を見極める事が緊急の課題になっている。