このほど、政府主催の「第17回新しい資本主義実現会議(議長・岸田文雄首相)」が開催された。その中で日本商工会議所の小林会頭は、「企業の退出の円滑化については、何より早期の相談が重要」と指摘。
参入・退出の円滑化に向けて、退出を希望する者の判断を遅らせる要因を解消する環境整備の強化、現行支援策の周知が重要とし、専門家や金融機関の協力の下で、相談体制の強化が必要と述べた。また、中小企業などによる新事業創出、業態変革に向けた環境整備を要請。事業成長担保権の創設など、旧来の不動産担保や経営者保証に頼らない資金調達方法の確立、イノベーション・ボックス税制の創設などを要望した。
それに対して岸田首相は、「企業経営者が事業不振の際に、M&A・事業再構築・廃業など、早い段階から専門家に相談でき、意思決定できる体制を官民で全国的に整備し、支援策を講じる」と強調。加えて、金融債務の減額などを容易にする事業再構築法制の提出や、企業のノウハウや無形資産を基礎に融資を行う事業成長担保融資の拡大を進める考えを示した。生成AIについては、人手不足への対応などの労働生産性の向上が期待され「産業側での利活用に向けた課題の洗い出しと開発の促進などの環境整備を進める」と表明した。
■参考:日本商工会議所|科学技術・イノベーション推進など議論(新しい資本主義実現会議)|
https://www.jcci.or.jp/news/jcci-news/2023/0510120014.html