勤め人が定年後を見据えて準備するよくある例である。何か国家資格を取れば、再就職や独立開業の武器になると考えて勉強を始める。定年後、ぜひやりたい仕事であれば、現在の仕事と関係が無くても良いと思う。
しかし、例えば長年公務員や一般事務員等をして来た者が、猛勉強して税理士・社会保険労務士・中小企業診断士等の国家資格を取っても、定年後役立つとは限らない。そこで、定年後の仕事は各人の特技を活かせる、又は趣味・経験等のある分野に行けるような準備が役立つ。その結果として、資格取得を目指すことも良い。
例えば、定年後に飲食店を始めたいのであれば調理師免許を取る、介護関連の仕事に就きたいのであれば介護士等の資格取得を目指す。元々特技だった書道・華道・茶道等を学び直して、定年後教室を始める人もいる。
ところで、本当に特技を活かして定年後の生き方を設計する場合は、資格取得に止まっていてはならない。飲食店開業を目指すのであれば、早いうちから実店舗での経験を積んだり(副業が認められている職場ならば、夜間や休日アルバイトをする等)、関連店舗を見学したり、専門学校へ通ったりする。さらに、開業の為の資金準備、店舗立地探し、仕入先、関連本の読書等が実行出来れば、より実現性が相当に高まる。