申告期限まで申告書未提出 隠蔽・仮装の事実なし-不服審

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原処分庁の請求人に対する○請求人には申告すべき所得金額が発生し、必要であるとの認識があった○事業に関する書類を段ボール箱で保管していたが、調査の際に提示せず、事業に関する帳簿や書類は破棄した旨申述した○多額の売上が入金された預金口座に係る通帳を提示しなかった○総勘定元帳等の帳簿を作成しなかった等の主張に関して、請求人の国税通則法第68条《重加算税》第2項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」があったか否か争われた事例。

審判所は、請求人に申告の必要性の認識は認められるものの、帳簿を作成していなかったこと自体は隠蔽とも仮装ともいえない。また、本件調査において一定の書類を提示しており、提示しなかった段ボール箱の中に特段重要な書類があったという証拠はなく、破棄したという書類の存在や内容は明らかではない。さらに、本件口座に係る通帳を提示しなかったことは認められるものの、それ以外の口座に係る預金通帳は提示しており、口座内容の状況から、通帳の存在を失念して提示しなかった可能性を否定できない。これらより請求人において、当初から課税標準額及び税額等を法定申告期限までに申告しないことを意図し、「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実があったとは認められない、とした。

■参考:国税不服審判所|請求人が法定申告期限までに申告書を提出しなかったことについて、隠蔽又は仮装に該当する事実はなかったとして重加算税の賦課決定処分を取り消した事例|

https://www.kfs.go.jp/service/MP/01/0605030200.html#a128