Weeklyコラム 実地実行の動機付け

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古来より、良い事は思うだけでは役に立たず、反対に悪い事は思うだけで実行さえしなければ悪人ではない、と言われる。人が飢えで苦しんでいる時、単に哀れの心を抱いても善人とは言わず、食を与えて善人と言う。善悪に限らず、何事も言葉や思いだけではなく、実地実行して初めて成果が出る。

さて、従来から職場等においては整理整頓、マニュアル実行、計画実行等の実践が叫ばれる。朝礼、事務室や工場内の掲示物、研修会等で繰返し言われても、実行が定着しないのが実態ではなかろうか。

X社(飲食店向け食材の卸業)でも掛け声と実行のズレに悩んでいた。そこで社長の掛け声で毎月10項目を5点満点評価し、賞与の時に1点百円を上乗せ支給している(最大半年3万円)。マイナス評価は無いので社員も気軽に応じ、毎月の評価(実行通信簿と言う)をむしろ楽しみにしている。結果、マニュアルや計画策定等の際、これまでのような立派な内容を求めるのではなく、実施実行の容易性や使いやすさ等を意識するようになった。社員全体の評価点数も年々上昇している。さらに、経営戦略や顧客開拓計画を策定する際、これまでは担当者の机上論になりがちであった。しかし、今は社員がやる気になる内容か否か、実行可能性等を基準に策定している。