日本政策金融公庫総合研究所は、中小企業における事業承継問題の実態を明らかにするために「中小企業の事業承継に関するインターネット調査」を実施した。従業者数299人以下の企業で回収数4,465 社。
中小企業の事業承継の見通しをみると、後継者が決まっており後継者本人も承諾している「決定企業」は10.5%にとどまり、後継者が決まっていない「未定企業」が20.0%、「廃業予定企業 」が57.4%、「時期尚早企業」が12.0%となった。「廃業予定企業」、2019年調査と比べて4.8ポイント上昇している。「廃業予定企業」は、従業者数「1~4人」が81.8%を占め、規模が小さい傾向にある。後継者候補を「長男」とする割合が33.7%で、依然として親族外承継の割合が高いが、割合は低下傾向で親族外が増加している。「廃業予定企業」の理由は、「そもそも継いでもらいたいと思っていない」が45.2%と最多。その理由として「経営者の属人的事業だから」といった、経営者の資質によるものが多く挙げられている。
外部機関や専門家などから支援を受けたいかどうかは、事業承継に向けた経営状況・経営課題の把握について「将来支援を受けたい」との回答が、「決定企業」で15.6%、「未定企業」で19.7%あった。
■参考:日本政策金融公庫|「中小企業の事業承継に関するインターネット調査(2023 年調査)」|
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/sme_findings230323.pdf