Weeklyコラム 諫(いさ)めを受入れる

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人としての素養の中で重要な事の一つに、他人からの「諫め」がある。諫めとは、間違った事を「悪い事」と他人が指摘してくれる事である。この諫めを素直に聞き、態度や行為等を直せる人は、家や会社(大きくは国家)を保って、盛大な道を歩めるという。

中国唐代、呉兢が書いた『貞観政要』は、君主を諫める部下へのあるべき対応法等が述べられている。今まで多くの君主や組織のトップが時代を越えて学んでいる。要は、部下からの諫めが素直に聞けないトップは長続きしないという教えである。

日本でも、江戸時代に書かれた『和俗童子訓』に諫めの重要性が説かれている。例えば、「いさめをききて、もしよろこんでうくる人は、善人也、よく家をたもつ。いさめをきらひ、ふせぐ人は、必ず家をやぶる。是善悪のわかるる所なり。いさむる事、理(ことわり)たがひたりとも、そむきて、あらそふべからず」等とある(貝原益軒著、石川謙校訂『養生訓・和俗童子訓』岩波文庫)。

X社(食堂チェーン)の社長は、他の役員や従業員から非常に尊敬されている。その理由は、「役員や従業員の提案や反対を気軽に聞いてくれる。発言者を疎外した事は無い」である。諫めに、大きな要点が2つある。素直に聞いて、しかも聞いた後で発言者を疎外しない事が大切である。