割増賃金の判別を巡り 原審に違法、差し戻し-最高裁

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会社(被上告人)に雇用され、トラック運転手として勤務していた上告人が、被上告人に対し、時間外労働、休日労働および深夜労働の賃金並びに付加金等の支払いを求めた事案。

被上告人は熊本労働基準監督署からの指導で、新たな給与体系を定めたが、その後被上告人の時間外労働は19か月間を通じ、1か月あたり平均80時間弱で、その間基本給月額12万円、時間外手当の支給額合計が約170万円、調整手当のそれが約203万円であった。被上告人は、第1審判決が容認した賃金の額の全部(合計224万7013万円)を支払った。

原審は、時間外手当は基本給とは別途支給され、通常の賃金と割増賃金は判別可能であり、説明もあったとして割増賃金の支払いを認め、上記支払いにより未払いはなくなったとして上告人の請求を棄却した。

それに対して最高裁は、新給与体系は、実質において時間外労働等の有無やその多寡と直接関係なく決定される賃金総額を超えて労働基準法37条の割増賃金が生じないようにすべく、旧体系で歩合給として支払われていた賃金の一部につき、名目のみを本件割増賃金に置き換えて支払うことを内容とする賃金体系としてあるとして、割増賃金の支払いの事実を認めず、原審の判断に違法があるとし差し戻した。

■参考:最高裁判所|雇用契約に基づく残業手当等の支払により労働基準法37条の割増賃金が支払われたものとした原審の判断に違法があるとされた事例(令和5年3月10日・第二小法廷)|

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=91858