グローバル・ミニマム課税の導入を踏まえ、国際会計基準審議会(IASB)は1月9日、IASB公開草案「国際的な税制改革―第2の柱モデルルール(IAS第12号「法人所得税」の修正案)」を公表している(3月10日まで意見募集)。公開草案では、IAS第12号の要求事項に対する一時的な例外規定として、法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関しては、企業は認識することを要しないこととする取扱いを定めている。
日本の企業会計基準委員会も2月8日に「グローバル・ミニマム課税に対応する法人税法の改正に係る税効果会計の適用に関する当面の取扱い(案)」を公表し、IASBの公開草案と同様に、例外的な取扱いを行うとの方向性を打ち出している。
しかし、企業会計基準委員会は、IASBに対して、修正後のIAS第12号の公表時期について懸念を表明している。IASBの公開草案の最終決定時期が4月以降になるため、3月決算が多い日本のIFRS任意適用企業が公開草案で提案されている一時的な例外規定を適用できない可能性があるからだ。同委員会では、一時的な例外規定が適用できなくなれば、これらの企業に不必要な負担を強いることになるとし、最終基準化を早めるよう求める方針だ。
■参考:国際会計基準審議会|IASBがOECD第2の柱モデルルール課税に係る繰延税金の会計処理からの一時的な救済措置を提案|
https://www.asb.or.jp/jp/ifrs/press_release/y2023/2023-0109.html