相次ぐ労組の賃上げ要求 気になる賃金引上げの行方

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物価高騰を受け、政府が産業界に賃金の引上げを求める官製春闘が始まっている。生活水準維持のためにも賃金の引上げは必要という認識は労使ともに一致しているところだが、問題は財源。

今年は1万品目以上の食品が値上げ見通しの中、大企業の労働組合を中心に賃上げ率5%程度の高水準の要求が相次いでいる。賃上げ余力のある大企業はまだしも、気になるのは中小企業での賃上げの行方だろう。労働者の7割が中小企業で働いている現状、中小企業での賃上げが実現しなければ、社会不安にもつながりかねない。

帝国データバンクの調査によると、企業の56.5%で正社員について賃金改善があると見込んでおり、2年連続で増加となった。従業員数別に見ると、6~100人の規模の企業ではそれぞれ60%を超える結果となったが、5人以下では39.6%にとどまっている。なお、1,000人超の企業でも39.4%となっており、人員確保がより深刻な課題となっている中小企業で賃上げが見込まれているようだ。

一方、改善の見込みがないと回答した企業は17.3%で調査開始以降、最も低い水準となった。なお、非正社員については、改善の見込みがあると回答した企業は25.9%にとどまっている。

■参考:帝国データバンク|特別企画 :2023 年度の賃金動向に関する企業の意識調査 56%で賃上げ見込むも、中小の厳しさ浮き彫りに|

https://www.tdb-di.com/2023/02/sp20230215.pdf