食品や電気料金等の消費者物価が高騰して、家計が厳しくなる家庭が激増している。自衛手段としては節約生活が一番手っ取り早いが、収入ルートを複数にする副業を始める人が増えているそうだ。
現在、副業の仕方と言えば、昼間会社や商店に勤務している者が、夜間や休日に自営業やアルバイトに就いて収入を得ている場合が多い。知識・技術や趣味等を活用したり、知人友人等から手伝を頼まれたりする事が動機となるようだ。さて、副業を積極的に始めるとしたら、例えばどんなビジョンやコンセプトがあるか。(1)単に収入目的だけでなく、好きな仕事(2)使う時間や時間帯が自分及び家族の生活リズムとバランスする仕事(3)出来れば、定年後(定年前)の転職や開業等に役立つ仕事等、ではなかろうか。理想の副業は、単なる収入を補う仕事だけでなく、自分の知識・技術・趣味・人脈等の活用かもしれない。
塩見直紀著『半農半Xという生き方〔決定版〕』(ちくま文庫)に、農村に移住し、農業をしながらIT関連や芸術活動の仕事等をする事例が紹介されている。著者自身も同様の生き方をしている。本業と副業を分けず、どちらにも半々の力を入れて、両方が本業と言える。本業を2つ持つ「複業」が流行るかもしれない。