東京商工リサーチの調査によると、2022年のタクシー(ハイヤーを含む)事業者の倒産(負債1000万円以上)件数は、前年(13件)の2倍超の29件で、過去10年間で最多となった。
このうち、約9割は従業員50人未満の中小・零細事業者だった。同社は最多の理由について「利用客の減少とコロナ支援が薄れ、息切れした事業者が相次いだ」ためと分析している。
ただ、「客足は22年秋から回復傾向にある。また、行動制限の解除でビジネスマンの利用が増え、深夜帯の利用客も戻りつつある。22年11月に東京23区は初乗り運賃が420円から500円に改定されたが、利用者の乗り控えはなく影響は限定的だ」(東京商工リサーチ)。同社によると、「都内のあるタクシー会社はタクシー1台の20年12月の営業日収は平均で約4万円だったが、21年は約5万円、22年は約6万円まで復調している。年末年始はてんてこ舞いだった」。
全国旅行支援や各国の出国規制緩和によるインバウンド復調も追い風になっており、需要は活気を取り戻しつつあるが、その一方で供給が追い付かないケースも出ている。都内のタクシー会社では、ドライバー不足で総台数の1割が遊休しているケースもあるそうで人手不足は深刻だ。
■参考:東京商工リサーチ|タクシー業の倒産が過去10年で最多、コロナ禍が促す業界変革|
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20230204_01.html