Weeklyコラム 想定外は予め探る

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筆者が住む街は埼玉の寒冷地で、筆者が知る限り初めて-10度になった。報道によると、同日沼田市で-14度、大田原市で-16度、上田市で-27度を記録したそうだ。この冬、まさかこのような寒波や大雪で人の活動を妨げるとは、「想定外」であった。

ところで、何事も予め予想可能でその対応策が分かる事柄は、大抵未然に被害を防げる。寒冷対策や大雪対策は、気象予報をきちんと確認していれば、対応策が考え付く。ところが、地震・火災・航空機事故等でよく聞く「想定外の事」は通常は起こらない事であり、例外がいつ起こるかは予想がつかない。特定のBCP(事業継続計画)では、必ずしも間に合わないのである。

X社(衣料品の輸入販売)は、2年前からアメリカの衣料品を輸入販売する戦略に転換した。しかし、急激な円安と物価高騰で価格競争に敗退してしまった。経営者も担当者も、想定外の現象と嘆いている。しかし、X社の例は想定外とは言えない。為替リスクや国際紛争等は毎年発生しているからだ。今回程の円安はないと考えていたのだろう。X社としては、主力をアメリカの特定製品に変更する以上、安定供給体制を確立しておくべきだった。

想定外の問題が発生した場合、どんな解決策があるかを予め探っておく姿勢が求められる。