離婚請求時の財産分与申立て 一部をのぞく裁判は違法

LINEで送る
[`yahoo` not found]

上告人が離婚請求とともに、附帯して財産分与の申立てを行い、また被上告人が反訴として上告人に離婚を請求し、附帯して財産分与の申立てをするなどした最高裁の事案。分与を求める財産には、婚姻後に共に出資して設立した医療法人の持分が含まれる。

第1審は、本訴及び反訴の各離婚請求いずれも認容したほか、分与を求める財産の全部につき、財産分与についての裁判をした。これに対し被上告人は不服があるとして控訴、上告人は付帯控訴した。

原審は、本件出資持分について、上告人の財産の横領(1億5千万円余)への損害賠償請求の訴訟が係争中であること等により、本件出資持分を除いた財産分与について裁判した。

最高裁は、民法768条2項本文および3項、771条、更に人事訴訟法32条1項により、離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合には、当事者が婚姻中にその双方の協力によって得られたものとして、分与を求める財産の全部につき裁判がされることを予定しているものであり、法令中には上記財産の一部につき財産分与についての裁判をしないことを許容する規定は存在しないと説示。原審には明らかな法令違反があり、財産分与に関する部分を棄却、その部分を原審に差し戻した。

■参考:最高裁判所|離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合、分与を求める財産の一部につきの裁判をしないことは許されない(令和4年12月26日・第二小法廷)

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=91644