健保法の通知「処分」に該当 処分取消等請求は却下に

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上告人の健康保険を管掌していた健保組合は当初、上告人の妻を、健康保険法3条7項1号所定の被扶養者に該当するとしていたが、その後、妻の収入が本件組合の定める基準を満たさなくなったことを理由として、妻は被扶養者に該当しない旨の通知をした。

上告人がこれを不服とし、健康保険法189条1項に基づくとして、本件通知について審査請求をしたところ、近畿厚生局社会保険審査官は、本件通知は処分に該当しないことを理由に請求を却下。上告人は同項に基づき再審査請求をしたが、保険審査会は本件決定と同様の理由により却下する裁決をした。上告人は、本件組合の権利義務を承継した被上告人組合を相手に、本件通知の取り消しを求め、かつ被上告人国を相手に、裁決の取り消し及び国家賠償法に基づく損害賠償を求めた。

最高裁第三小法廷は、健保組合が被保険者に対して行うその親族等が被扶養者に該当しない旨の通知は、被保険者の資格に関する処分に該当すると説示。その点原審を違法とし、同部分の第一審判決を取り消したが、請求期間徒過による不適法を理由に取消請求に係る訴えを却下するとした。また上告人の被上告人国に対する上告を棄却した。

■参考:最高裁判所|健康保険組合が被保険者に対して行うその親族等が被扶養者に該当しない旨の通知は、健康保険法189条1項の処分に該当する(令和4年12月13日・第三小法廷)

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=91604