企業会計審議会の内部統制部会は12月8日、財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査の実施基準の改訂案を了承した。今後、公開草案を公表し、パブリックコメントに付す予定。改訂基準及び改訂実施基準は、令和6年4月1日以後開始する事業年度から適用する。
今回の改訂は、経営者による内部統制の評価範囲の外で開示すべき重要な不備が明らかになるといった事例が見受けられるなど、内部統制報告制度の実効性に関する懸念が指摘されていることを踏まえたもの。例えば、経営者が内部統制の評価対象とする重要な事業拠点や業務プロセスを選定する指標について、例示されている「売上高等の概ね2/3」や「売上、売掛金及び棚卸資産の3勘定」を機械的に適用すべきでないことなどを記載した。
そのほか、開示すべき重要な不備が当初の内部統制報告書ではなく、後日、内部統制報告書の訂正によって報告される事例が多いことを踏まえ、事後的に内部統制の有効性の評価が訂正される際には、訂正内部統制報告書において、具体的な訂正の経緯や理由の開示を求めることとしている。この点は改訂基準及び改訂実施基準ではなく、今後、関係法令を改正するとしている。
■参考:金融庁企業会計審議会|「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂について(意見書)」の公表について|
https://www.fsa.go.jp/news/r1/sonota/20191213.html