のれんの償却の再導入は見送り IASB、開示のみ追加へ

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IASB(国際会計基準審議会)は11月のボード会議において、のれんの償却の再導入を見送ることを決定した。IASBは、現行の取扱いを変更する説得力のある論拠は示されなかったとしている。

今回の決定により、のれんの会計処理については、現行の減損のみのモデルが維持されることになる。ただし、適用後レビューを踏まえ、IFRS第3号「企業結合」については、のれんの取得の事後の業績に関する情報についての開示要求を追加することを決定している。

なお、FASB(米国財務会計基準審議会)では、2020年7月以降、のれんの償却を再導入する方向で検討が行われ、2020年12月にのれんを10年のデフォルト期間で定額法により償却することを原則としつつ、それ以外の期間を許容するとの暫定決定を基礎として、償却を再導入する際の具体的なモデルが検討されていた。しかし、今年6月のボード会議では、プロジェクトの優先度が下げられるなど、テクニカルアジェンダから除く暫定決定が行われている。

今回のIASBの決定について日本の関係者は、FASBがのれんの償却の再導入を事実上見送ったことが大きく影響していると分析している。

■参考:国際会計基準審議会(IASB)|IASBがのれんの会計処理について減損のみのアプローチを維持することを議決|

https://www.asb.or.jp/jp/ifrs/press_release/y2022/2022-1124_01.html