大卒の新規学卒就職者は3年以内に3割が退職すると一般的に言われている。平成16年度には大卒者の36.6%が3年以内に退職していたが、その後、離職率は30%台前半で推移している。
厚生労働省は新規学卒就職者の就職後3年以内離職状況について公表した。平成31年3月に卒業した新規学卒者の離職率は、高校卒では下がったものの、それ以外の中学卒、短大卒、大学卒では対前年比増となった。
資料によると、新規学卒就職者の離職率は高卒が35.9%(対前年比1.0%減)、短大などが41.9%(同0.5%増)、大卒が31.5%(同0.3%増)となっている。これを企業の規模別に見ると、従業員数5人未満の企業では大卒の離職率は55.9%、同5~29人で48.8%となっており、従業員数30人未満の企業では、3年以内に大学の新規学卒者の約半数が辞める結果となっている。
1000人以上規模の企業では離職率は25.3%で、約半分程度まで下がる。給与を含めた福利厚生面で大企業にかなわないとしても、仕事のやりやすさや風通しの良さ、ハラスメント対策、キャリア形成、業務における裁量の大きさなどで社員にアピールしていかなければ、この状況は当面継続するだろう。
■参考:厚生労働省|新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)を公表します|
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00005.html