複数の地方公共団体にふるさと納税を行った請求人がそれぞれ送付を受けた各返礼品に係る経済的利益は一時所得に該当し、その価額は各団体による評価額を用いて算定されるとして行われた更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分。
請求人は、事業の広告宣伝のための賞金を受けた場合の評価に関する課税実務上の取扱いに基づき、当該価額は原処分庁の認定する額に60%を乗じた価額とすべきなどとして審査請求を行った。令和4年2月7日裁決。
審判所は所得税法第36条に基づき、金銭以外の経済的な利益の価額は当該利益を享受する時点における客観的交換価値(時価)に該当し、その算定は地方公共団体が返礼品の調達・提供のために支出した額を基礎とすることが相当と判断。
請求人は、各団体による評価額は同じ内容の返礼品でもその額が異なるなど客観性、合理性を欠くとしたが、調達価格はそれぞれの調達事業者との間で折衝などをふまえ個別に合意されるもので、違いがあっても不合理とはいえないとした。ただ、年末に発送された返礼品については、ふるさと納税をした年分と、送付を受けた年分とが一致しないため、収入すべき時期に誤りがある旨の請求人の主張には理由があるとして、この部分に限り当該更正処分の一部を取り消した。
■参考:国税不服審判所|ふるさと納税に係る経済的利益の額は、地方公共団体が謝礼のために支出した金額(返礼品調達価格)をその算定の基礎とすることが相当(令和4年2月7日裁決)|
https://www.kfs.go.jp/service/MP/02/0303060000.html#a126