旧市街も住まう街として再生 「街の歴史」研究に見る希望

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財務省誌「ファイナンス」上で「路線価でひもとく街の歴史」を連載中の大和総研の鈴木文彦主任研究員は連載30回の節目に当たる8月号で、これまで紹介してきた27都市の歴史についてまとめた論考「ふりかえり編 街の発展史から将来の街づくりを考えること」を寄稿した。

氏は「この論点で講演するとき必ず述べるのが、全体を貫く1つのテーマと4つの前提について。テーマは『街の構造を発展史的に把握し将来の街づくりを考えること』。テーマを支える前提は(1)街の中心はときの交通手段に伴って移転する(2)新しい街は既存市街地の外側にできる(3)街の歴史物語の主要キャストは地方銀行と百貨店(4)旧市街は本来の住まう街として再生する―。

中でも重要なのが『街の中心はときの交通手段に伴って移転する』。第4の前提は大テーマの回答でもある。再生の道筋は街の発展史にある」と指摘。旧市街が「住まう街」という新たな役割を与えられ、徒歩と舟運の街としての出自を活かして再生する道程を詳述。その道程で鍵となる歴史と公園の重要性を強調。27都市に多かれ少なかれあてはまる再生の経緯を「筆者は『街の弁証法』と呼んでいる。いったん否定された物事が一段上のレイヤーで再生する過程に掛けた」とさりげなく語る。

■参考:財務省|広報誌「ファイナンス」:路線価でひもとく街の歴史第30回 ふりかえり編街の発展史から将来の街づくりを考えること|

https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/202208/202208i.pdf