日本の医療提供体制は非効率的 かかりつけ医制度未整備の影響

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財務省誌「ファイナンス」7月号は『「過剰医療と過少医療の実態:財政への影響」の見所』と題するインタビュー記事を掲載。過剰医療と過少医療からみる日本の課題や、その解決のために求められる取組などについて紹介した。

この中で井伊雅子・一橋大学経済学研究科教授/国際・公共政策大学院教授は「現在の日本の医療提供体制は効率的でない、資源配分がうまくいっていない。日本は受診回数が世界一といっても、医療機関に行く人は頻回に受診するが、全く行かない人も結構多い。混んでいるから行かないとか、子どもの予防接種は行くけれど自分は二の次とか。そんな時にGP(家庭医、かかりつけ医)がいれば、ワンストップサービスで子どもの受診のついでに婦人科のがん検診などできるのだが、日本はそうした制度でないので、必要な医療やケアを受けない、もしくは受けられない(過少医療)ことが少なくない」との見解を示した。

財務総合政策研究所が編集・発行している学術論文誌「フィナンシャル・レビュー」が3月に刊行した同テーマに関する論文(井伊教授はその責任編集者)に基づいた知見ということもあって、結果的に、欧州で普及しているGP制度が未整備な日本が抱える医療制度から派生する課題が示唆される恰好となっている。

■参考:財務省|機関誌「ファイナンス」・フィナンシャル・レビュー「過剰医療と過少医療の実態:財政への影響」の見所|

https://www.mof.go.jp/pri/research/special_report/f10_09_01.pdf