昨今、面接の際に意図的に意地の悪い質問をしたり、威圧的な態度をとることで求職者の態度を見ようとするケースが頻発している。嫌な質問に対しても冷静さを失わず対応できるかどうか、ストレスを与えられても耐えられるかどうかを見極めたいという企業側の意図はわからなくもないが、このような圧迫面接はのちのち大きなトラブルになりかねないので注意が必要だ。
法的に見て、圧迫面接を行ったことが直接的な賠償責任につながることは考えにくい。もちろん、暴力を振るったり、机を叩いて脅迫的な言動を行う、接触を伴うセクシャルハラスメントを行うなどといった場合は別だ。そのような場合は相応の賠償責任を負わされることになるだろう。
そこまでいかない場合でも、SNSなどで社名入りで批判されたり、行政機関への申告を行われることは十分考えられる。厚生労働省でも面接は応募者の基本的人権を尊重する姿勢が必要であるという態度を取っており、圧迫面接をよしとはしていない。
自社の評判を下げるリスクを背負ってでも、そのような面接をするというのも当然一つの経営判断だ。いずれにしても、後悔することのないよう、起こり得る結果まできちんと想定した上で企業としてあるべき態度を選択したい。