刑訴法の解釈適用誤り違法 不正競争防止法違反事件

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タイで火力発電所建設プロジェクトを遂行していた日系企業がタイの公務員に金銭を供与し、資機材の搬入にあたり便宜を図ってもらったことに関してプロジェクトの事実上の統括責任者が不正競争防止法違反に問われた事件で

最高裁第二小法廷は、共謀の成立を認めた第1審判決に事実誤認があるとした原判決に刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があるとして原判決を破棄、控訴を棄却した。

第1審は、被告人には防止法18条1項違反の罪の共同正犯が成立するとし、被告人を懲役1年6月、3年間執行猶予に処した。原判決は、被告人には共同正犯は成立せず、同罪の幇助犯が成立するとした。

最高裁は「原判決は第1審判決について論理則、経験則等に照らして不合理な点があることを十分に示したものとは評価できない。第1審判決に事実誤認があるとした原判断には刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があり、これが判決に影響を及ぼすことは明らか。原判決を破棄しなければ著しく正義に反する」と判断。その上で「不正競争防止法18条1項違反の罪の共同正犯の成立を認めた第1審判決の判断は正当として是認でき、また、記録に基づいて検討すると、被告人のその余の控訴趣意もいずれも理由がなく、第1審判決は維持するのが相当だ」とした。

■参考:最高裁判所|外国公務員等に対して金銭を供与したという不正競争防止法違反の罪について、原判決に刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例(令和4年5月20日・第二小法廷・破棄自判)

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=91187