従業員に副業を認めるという企業が増えている。ここで副業とは、一般に勤務終業後の夜間や休日に、別の企業に勤務したり、自宅で何らかの事業を行ったりして収入を得る事である。意見は分かれるが、本業を持たない者が複数のアルバイトをしたり、家で内職をしたりする行為は副業ではない。
ところで、副業が盛んになる社会は、望ましい現象であろうか。その判定基準は副業を行う動機にある。動機の一つは、本業だけでは所得が不十分というものである。副業の動機の典型である。別の動機は、収入が主目的ではなく、自己の生きがいや特技・趣味等を生かした仕事を片手間に行うという場合である。
例えば、会社に勤めながら休日に稲作や野菜作りをして農産物直売所に出したり、特技・趣味等を生かして講師や観光案内人等をしたりする場合である。その収入は、目的ではなく結果である。今後、副業は益々盛んになるだろうか。所得の不足による副業はあまり歓迎したくない。
特に、子育て世代が家庭環境を犠牲にするような副業は社会問題になる。もし時間的余裕があれば、本業以外のやりがいを求めて好きな仕事に就き、特技・趣味を生かして収入を得たりする事は、楽しい副業となろう。ぜひ、やりがいがある副業になるような国の労働政策をお願いしたい。