国税庁は、「中小企業の事業再生等に関する研究会」がまとめたガイドラインによる再生型私的整理手続きに基づく事業再生計画により債権放棄等が行われた場合の取扱いについて、同会に対し文書で回答した。
1)債権者が上記の債権放棄等を行った場合には、支援額・支援割合の合理性、支援者による適切な債権管理、支援者の範囲の相当性を有し、法人税基本通達9-4-2に合致するため、債権放棄等により供与される経済的利益の額は寄附金の額に該当せず、供与による損失の額は損金算入できる。
2)債務者が当該再生計画に基づき債務免除等を受けた場合、通達12-3-1(3)が定めている、免除等の決定に恣意性がなく、合理性がある資産の整理があったと認められるときには法人税法第59条第3項≪会社更生等による債務免除等があった場合の欠損金の損金算入≫の適用がある。
3)保証人が資産を譲渡して保証債務を履行し、書面によりその履行に伴う求償権を放棄したときは、対象債務者がなお債務超過の状態にある限り、所得税法第64条第2項により、行使できないこととなった金額はその譲渡があった年分の譲渡所得等の計算上、なかったものとみなされる。国税庁は、照会に係る事実関係を前提とする限り上記の見解で差し支えないとした。
■参考:国税庁|「中小企業の事業再生等に関するガイドライン(再生型私的整理手続)」に基づき策定された事業再生計画により債権放棄等が行われた場合の税務上の取扱いについて|
https://www.nta.go.jp/law/bunshokaito/hojin/220311/index.htm