各人の抱負(決意や計画等)を達成するとは、どんな教育をする事だろうか。
大学教育では、経済成長に伴って経済学・経営学・理工学・医学等の実学が重視されてきた。反対に、文学・歴史・美術等の一般教養的な総合知識が軽視されてきたように思われる。勿論、経済学や医学等は社会にとって絶対必要であるが、人の精神的基礎になる総合知識(一般教養)を置き去りにしてはならない。
例えば、医師としての知識や技術は大変重要であるが、同時に医療に接する人は患者の人生観や心理等を理解する総合知識が必要である。高い評価を受ける医師は、患者や家族から尊敬される人間徳性や教養を身に付けた人である。経営者・政治家・教師等も同様だ。
さて、21世紀中期に向かって、学校(特に大学)の教育は何を中心にしたら良いだろうか。それは、各人が自分の力を発揮出来る教育であろう。つまり各人の抱負が達成可能な教育である。具体的には、実務教育をしながら初等教育の内から総合知識を育む事である。また、日本の小学校・中学校の教育課程はほぼ全員が同一であるが、12歳くらいから各人の抱負に沿って選択出来る体制が有効と考える。教育体制の再構築は、経済発展とともに日本が世界の中で人間性豊かに繫栄する為に最も重要である。