内閣府はこのほど、「家族の法制に関する世論調査」を行い、その中で「選択的夫婦別姓制度」等に関する調査を行っている。
その結果、「現在の制度である夫婦同姓制度を維持した方がよい」と答えた者の割合が27.0%、「現在の制度である夫婦同姓制度を維持した上で、旧姓の通称使用についての法制度を設けた方がよい」が42.2%、「選択的夫婦別姓制度を導入した方がよい」が28.9%となっている。
直近の最高裁の判決では、夫婦別姓を認めない民法や戸籍法の規定は憲法違反だとして、東京都と広島県の事実婚の男女7人が国に損害賠償を求めた2件の訴訟で、これまで最高裁で憲法24条に違反するものではない旨の判断が示されていることにより原告側の上告を棄却した。
なお、渡辺恵理子裁判官と宇賀克也裁判官は、同民法の規定は違憲として意見を加えている。渡辺裁判官は、氏名は「個人の尊厳として尊重されるべきもの」であり、結婚で夫婦のどちらかが犠牲を強いられるのは「過酷で是認しがたい」、また「子の福祉のみをもって夫婦同氏を要求する各規定に客観的な合理性があるとはいえない」とし、民法などの規定は「婚姻の自由を侵害し、憲法に違反する」としている。(3月22日・最高裁第三小法廷・損害賠償請求事件)
■参考:①内閣府|婚姻した場合の名字・姓に対する考え方|
②最高裁判所|立法不作為の違法を理由とする国家賠償請求訴訟において,民法750条及び戸籍法74条1号は憲法24条に違反するとの意見が付された事例|
https://survey.gov-online.go.jp/r03/r03-kazoku/2-2.html
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=91054