不動産取得税の賦課処分は適法 一括分割による取得―最高裁

LINEで送る
[`yahoo` not found]

複数の不動産を一括して分割の対象とする共有物の分割により本件各土地の持ち分10分の9を取得し単独所有となった上告人に対し、足立都税事務所長が不動産取得税の賦課決定処分をした。上告人が、各処分の取り消しを求める事件で最高裁第三小法廷は上告を棄却した。

上告人側は、本件各取得に対しては地方税法73条の7第2号の3の規定により税を課することができないにもかかわらず本件各処分を適法とした原審の判断には解釈の誤りがあると主張。最高裁は「不動産取得税に関する地方税法の規定の内容等に照らせば、同税は個々の不動産の取得ごとに課される。共有物の分割による不動産の取得に係る持ち分超過部分の有無と額は、複数の不動産を一括して分割の対象とする場合でも、対象とされた個々の不動産ごとに判断すべきもの。第2号の3括弧書きの『分割前の当該共有物に係る持分の割合』という文言にも沿う解釈だ」と説示。

上告人は共有物の分割により,従前は持ち分10分の1を有していた本件各土地について、それぞれ他の共有者からその余の持ち分10分の9を取得したのだから、本件各取得の全部が持ち分超過部分の取得に当たることが明らか。不動産取得税を課することができないとはいえないとし、原審の判断を是認した。

■参考:最高裁判所|一括分割により不動産を取得した場合における「分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分」の有無等は,分割の対象とされた個々の不動産ごとに判断すべきである(令和4年3月22日・第三小法廷・棄却)

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=91034