在籍型出向助成金利用1万人超 予算枠はまだ余裕あり

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新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業主は少なくない。解雇を避け、休業させることで雇用を維持する動きは以前からあるが、最近では在籍型出向により労働者の雇用を維持するケースも見られるようになった。

在籍型出向とは、労働者が出向元企業と出向先企業の双方と雇用契約を締結し、一定期間その契約を継続する勤務形態だ。労働者を一時的に削減したい出向元と労働者を獲得したい出向先の思惑が一致すれば、解雇をせずに雇用を維持することが可能になる上、異業種での経験をすることで労働者のキャリアアップ効果も期待できる。

厚生労働省ではそのような在籍型出向で雇用維持に取り組む事業主を対象に「産業雇用安定助成金」を給付している。同省によると、産業雇用安定助成金は大企業のみならず、中小企業での活用も進んでおり、創設から1年で1万人を超える労働者の在籍型出向に対して給付を行っている。

しかし、助成枠でみると2割程度の利用にとどまっており、予算枠に余裕がある。助成金申請を見ると、異業種への出向割合が6割を超え、また中小企業から中小企業への出向割合が最多となる。企業側の活用次第では、有効な手段になり得るはずだ。

■参考:厚生労働省|雇用を守る在籍型出向、活用広がる~産業雇用安定助成金の創設から1年、対象者が1万人を超えました~|

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24057.html